[ワシントン 14日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は14日、20カ国・地域(G20)に対し保護主義を回避すると同時に、対外不均衡を是正し、世界貿易を歪める政策を排除するよう呼びかけた。

IMFは17─18日にドイツのバーデンバーデンで開かれるG20財務相・中央銀行総裁会議を前に、世界経済に対するリスクなどに関する見解を取りまとめた「サベーランス・ノート」を公表。貿易を成長のけん引役として維持するための国際協力が必要と立場を示した。

また、経常黒字を抱える国は不均衡是正に向け赤字国と協力して取り組む必要があると指摘。規則に法った貿易システムに対するコミットメントが「非常に重要」となっているとした。

ラガルド専務理事は同報告書に関連するブログポストで「われわれは全体として自傷行為は避けなければならない」とし、「貿易、移民、資本フロー、国境を越えた技術移転を著しく阻害する政策を排除する必要がある」と述べた。

米国を含む世界の複数の先進国では保護主義的な機運が高まっており、米財務省高官は13日、ムニューシン財務長官は今回のG20財務相・中央銀行総裁会議で米国の国益向上の実現に努めるとの見方を示している。

ただIMFは国家主義的な経済政策への転換に対する懸念は示しているものの、製造業部門が上向いていることなどで世界経済の見通しは改善していると指摘。

成長見通しはここ数カ月、英国やその他の欧州諸国のほか日本で改善したとし、米国でもトランプ政権下で予想される拡張的な財政政策に対する期待から見通しは改善しているとした。

ただIMFは世界経済の成長率見通しは2017年は3.4%、18年は3.6%とし、1月に示した見通しを据え置いた。16年の世界経済の成長率は3.1%だった。

IMFはまた、G20に対し需要と成長を引き上げるために可能な手段を利用するよう呼びかけた。ただ米国やドイツなどのように経済が潜在力の100%に近づいている国については、景気刺激策は技術革新や教育、子育て支援など、生産性の向上や労働力の拡大につながる措置に主眼を置いたものとする必要があるとの見方を示した。