[ドゥーマ(シリア) 15日 ロイター] - シリア首都ダマスカス近郊の東グータ地区にある反体制派の主要拠点となっているドゥーマが空爆されるようになり、まひを患う14歳のジアド君は自室に独りで閉じこもりがちだという。

ジアド君は脊髄を損傷しているため、空爆中にすぐに動くことができない。そんなジアド君を受け入れる余裕のある避難所は近くにない。

シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

「避難所には僕のような人を受け入れる用意がない」とジアド君は話す。

昨年まで、非道なシリア内戦で脊髄を損傷した患者が受けられる治療の選択肢は限られていた。内戦では何十万人もの人々が殺害され、1100万人以上が家を追われている。

シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

現在、脊髄損傷の治療やリハビリのための専門センターが立ち上げられ、身体的な治療だけでなく精神的なケアも提供している。

シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

東グータでは、脊髄を損傷した患者は推定500人いるとみられる。そのほとんどが6年に及ぶ内戦の犠牲者だ。現在、同センターは完全に寄付金のみで運営されており、3─6カ月かかる治療を1度に受けられるのは12人に限られている。

介助されてリハビリセンターに行くフセインさん(35)。シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

介助されてリハビリセンターに行くフセインさん(35)。シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

同センターを運営する理学療法士のハリド・ハッラージさんは、戦闘のさなかにリハビリするのは大変な困難だと語る。

シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

供給不足で、特に電動車いすや理学療法器材が足りないという。その場しのぎのセンターでは、患者を受け入れるのに十分な設備も整っていない。車いす用の出入り口は1カ所のみで、爆撃を受けたときに避難する非常口やシェルターもない。

シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

ハッラージさんは、障害者専用の車両がないため患者の移送にも苦労している。まひを患う患者は精神を病んでいることも多く、安心できる自宅で過ごす傾向にある。

「多くの人が負傷後に精神的トラウマに苦しみ、治療が遅れる原因となっている。症状を悪化させ、治療にかかる時間を長引かせることになる」とハッラージさんは指摘する。

シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

大半の患者とは異なり、アブ・ゼイドさん(23)はセンターで暮らしている。政府支配地域に住む家族と離れて暮らすアブ・ゼイドさんは負傷した後、激しい痛みに耐えかねて自殺を図り、日常生活に助けが必要だということを受け入れた。

アブ・ゼイドさんの腕に残る深くクレーターのようにへこんだ傷跡は、耐えてきたことの証しであると同時に、現在の状態とは実に対照的だ。治療を受けてから、自分でトイレに行けるくらいまで回復した。彼は今、再び自分の足で歩けるようになることを願っている。

「先生たちはまた歩けるようになると言ってくれる。我慢して、たくさんリハビリしなければ」とアブ・ゼイドさんは話す。

リハビリセンターに連れて行くため、患者の家を訪れた職員のオベイダさん(18) 。シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

リハビリセンターに連れて行くため、患者の家を訪れた職員のオベイダさん(18) 。シリア首都ダマスカスで2月撮影(2017年 ロイター/BASSAM KHABIEH)

(写真:Bassam Khabieh 文責:Maytaal Angel)