Liam Proud

[ロンドン 16日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 仏自動車大手ルノー(RENA.PA)のキーマンが直面するリスクは、疑惑がもたれている排ガス不正に関するどのようなペナルティーよりも、投資家にとって大きな問題のように思われる。

不正行為を否定する同社の主張が偽りである場合は別だが、フランス当局による調査がもたらす財務的影響に対する懸念は現在、過度に大きくなり過ぎている。同グループにとってはるかに大きな問題は、もしカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)が窮地に立たされることになった場合だ。

16日に同社の株価が4%超下落したことは、一見すると、大きな下げ幅のように見える。

15日付の仏リベラシオン紙の記事には、ルノーのディーゼル車に対する排ガス不正疑惑の調査について実質的に新しい情報はほとんど含まれていない。また、米国でのシェアが限られていることから、フォルクスワーゲンが支払ったような罰金に見舞われる可能性は低いとみられている。

重要なのは、ルノーが排ガス不正ソフトを搭載した自社の車は一台もないと主張していることだ。経営陣が現在までに行き過ぎた操作に関するいかなる証拠も公開していることは、ほぼ確実なように見える。そのような情報を隠し続けることは、現在よりもはるかにひどい窮地に陥る可能性があるからだ。

しかしロイターが15日報じたように、フランス消費者問題監視当局は、ゴーンCEOが責任を負うべきとの考えを検察当局に示していたことが明らかになった。そのようなリスクを考えれば、投資家が動揺するのもうなずける。

ゴーン氏は3月末で約16年務めた日産自動車(7201.T)の社長を退くが、同社とルノーの提携を概ね成功させた要の人物である。両社は、エンジニアリング、サプライチェーン管理、購買、人事管理で共同運営し、2015年は年間43億ユーロ(約5250億円)のコスト削減を達成している。2018年までに、2社のシナジーを25%以上増加させ、コスト削減額を55億ユーロにすることを目指している。

投資家の目からすれば、ゴーン氏が当局のターゲットにされるかもしれないといういかなる兆しも、こうした進展を阻むリスクと映る。とりわけ、ルノーの株式20%を保有する筆頭株主であるフランス政府と同氏が対立していることを考えれば、それはなおさらである。

もちろん、ルノーが本当に不正をしていないのであれば、同社の経営者が追いやられることは想像しがたい。だが、フランス政府とゴーン氏が対立しているという証拠は、それが何であれ、ルノーにとってリスクがトップに集中していることを示している。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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