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[東京 10日 ロイター] -

<JPモルガン・チェース銀 為替調査部長 棚瀬順哉氏>

前日は、北朝鮮情勢に対する懸念から、円がスイスフラン以外の主要通貨に対して上昇し、株安、米金利低下となった。

一方、7月28日に、北朝鮮が発射したミサイルについて、米国防省が大陸間弾道ミサイル(ICBM)だったと発表した際に、金融市場は、昨日ほどは、リスク回避にならず、目立った動揺も示さなかった。

以上から、昨日の金融市場の動揺については、状況の深刻度合いより、むしろ、クロス円で円売りのポジションが積み上がっていたため、その巻き戻しが誘発されたことと、典型的な夏枯れ相場で流動性が低下していたことが背景要因だったとみられる。

今後の市場動向については、北朝鮮情勢と、7月の米消費者物価指数(CPI)が重要な要因になるだろう。

北朝鮮情勢がどんどん悪化していくことは想定しにくいが、もし、一段と悪化するようであれば、CPIの結果に関係なく、投資家のリスク回避姿勢が強まり、短期筋による円ショートの巻き戻しが進み、円は主要通貨に対して全般に上昇するとみられる。

一方、北朝鮮情勢が悪化しないのであれば、為替相場のトレンドは米CPIの結果次第となろう。

CPIが予想を下振れれば、米利上げ期待の低下や米金利低下を受けて、ドルが全般的に売られる展開が考えられる。もっとも、このケースではリスク資産がサポートされ、円も売られてクロス円が上昇する可能性が高いと考えられる。

CPIが予想通りとなった場合には、下振れが止まったことが好感されて、FRBの利上げ期待が高まり、米長期金利が上昇する可能性が高いとみている。CPIが上振れした場合にも、マグニチュードの違いこそあれ、同様の反応が予想される。この場合はリスク資産が売られる結果、円が強含みクロス円が下落する展開となる可能性が高い。

クロス円での円ショートの巻き戻しが加速すれば、ドル/円にも下落圧力が高まるだろう。