[東京 6日 ロイター] - NTT(9432.T)は6日午前に開かれた総務省有識者委員会で、2024年から固定電話の通話料金を全国一律3分8.5円にすると表明した。固定電話網(PSTN)をインターネットの技術を使ったIP網に移行するのに伴い変更する。

これまでは距離に応じて通話料金が高くなる仕組みだったが、新たに提供する「メタルIP電話」はIP網の特性を活かして全国一律の通話料金を採用。現状の市内通話3分8.5円を全国に拡大することで、長距離は大幅に安くなる。基本料金は現行水準を据え置いた。

固定電話網はIP網に移行するが、利用者宅までは従来のメタル回線を使う。変換装置は局舎に置かれるため、利用者宅の工事は不要で電話機もそのまま使える。

固定電話網の要となる交換機はすでに製造が停止されており、NTTによると2025年には維持限界を迎える。こうした状況を踏まえ、同社は同年までにIP網へ移行する構想を公表していた。

ただ、IP網に移行すると、事業者間の調整や一部サービスを終了する必要が出てくる。このため、総務省は情報通信審議会に電話網移行円滑化委員会を設置、IP網への移行で生じる問題などについて議論を進めている。

6日の委員会では有識者から、固定電話市場の更なる縮小が予想される中で、「(足元にメタル回線を使う)メタルIP技術に固定しないで考えていくことも必要なのではないか」といった意見も出ていた。

NTT東日本の矢野信二取締役は6日午後に開いた説明会で、東西合わせて2172万件(昨年末)の固定電話の回線数について「2024年には半分近くになると見込んでいる」と述べ、1000万件程度まで縮小するとの見通しを示した。

<二次答申に向けユニバ議論も>

固定電話の議論と切り離せないのが、ユニバーサルサービス制度との関係だ。現在、固定電話は国民生活に不可欠な通信サービス(ユニバーサルサービス)として指定されており、NTT東西会社は固定電話を誰もが使える料金で全国一律に提供する義務を負っている。

だが、携帯電話など新たな通信手段が台頭する中で、固定電話の利用率は年々低下しており、業界では制度が時代に即していないとの声も聞かれるようになってきた。

総務省有識者委員会はこうした点も議題に上げ、今年の夏から秋をめどに移行のあり方に関する二次答申を取りまとめる方針だ。

高市早苗総務相は2月14日、閣議後の記者会見で「将来を見据えて最低限度のサービスとして必要なものが何であるか、考える時期だと思っている」と述べ、見直しを示唆した。

*内容を追加します。

(志田義寧)