[ジュネーブ 28日 ロイター] 世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)をめぐる閣僚会合は28日、市場開放をめぐり米国が中国・インドと対立しているほか、欧州連合(EU)が交渉に向けてより良い条件を求めるなど、行き詰まり状態をみせている。

 交渉は途上国向けの農産物の特別セーフガード(緊急輸入制限)をめぐって難航しており、農産物輸出国のパラグアイやウルグアイなどがその他の途上国と対立している。

 米通商代表部(USTR)のシュワブ代表は「いくつかの国が向かっている方向について深く懸念している。このラウンドの結果を危うくするのではないかと不安に思っている」と語った。

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 米国は主要途上国に対し、少なくともいくつかの鉱工業セクターでの大幅な関税引き下げに合意するよう求めているが、中国とインドは、途上国は農産物輸入の増加を制限する新たな措置を与えられるべきだと主張している。

 ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は28日、電話会談で交渉の行方について懸念を共有した。サルコジ大統領のスポークスマンが明らかにした。

 ドーハ・ラウンドに対するドイツとフランスの反対は、欧州連合(EU)の承認を得る機会を損なう可能性がある。フランスは特定の食品に対するより厚い保護を望み、ドイツは製造業者が新たな輸出機会を得ることを求めている。

 イタリア政府スポークスマンによると、フランス、ポーランド、ハンガリー、アイルランド、ギリシャ、リトアニア、キプロス、イタリアのEU加盟9カ国は、欧州委員会のマンデルソン委員(通商担当)に対し、交渉でより良い条件を要求するよう求めたという。

 このWTO会合は、農業や鉱工業品の補助金削減および輸入関税引き下げに関する条件をめぐる合意を目指して行われている。

 インドのナート商工相は記者団に、ラミーWTO事務局長が先週に提示した合意案にインドは合意していないが、先進国から一段の譲歩を引き出すとの期待から交渉を続けてきたと語った。

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 ナート商工相は、7か国による少数国会合に参加した後、記者団に対し「何らかの動きが見られると期待している。わたしは依然として楽観的に考えている」と語った。 

 農産物の補助金削減や自動車や衣料などコア市場での関税引き下げを求められている米国は、途上国に対して市場を大幅に開放するよう求めている。

 米国は、鉱工業分野で中国やインドなどに対し、産業分野別の関税撤廃交渉に合意するよう求めている。