[4日 ロイター] - 米労働省が4日に発表した8月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比137万1000人増となり、伸びは前月の173万4000人から鈍化したほか、予想の140万人も下回った。政府支援策の効果が薄れる中、新型コロナウイルス感染拡大で引き起こされた景気後退(リセッション)からの回復が危ぶまれている。

市場関係者の見方は以下の通り。<ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティチュートのシニアグローバル市場ストラテジスト、サメール・サマナ氏>

民間部門と製造業部門の雇用の伸びは予想より若干軟調だった。失業率は低下、労働参加率は上昇し、週当たりの平均労働時間は長くなった。今回の結果は、労働市場が改善し消費の底上げにつながっている実態と整合性が取れるものだ。だが、新型コロナウイルス感染拡大前の水準には遠く及ばない。

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<TDアメリトレード(シカゴ)のチーフ市場ストラテジスト、JJ・キナハン氏>

雇用はかなり健全に伸びており、労働市場は改善に向けて大きく進展しているといえるが、各業種を見ると、娯楽・宿泊は新型コロナウイルス禍以前の2月時点からまだ250万人も減少しているほか、専門職・企業サービスは150万人、小売も65万人以上落ち込んでおり、回復への道のりはなお長いのが実情だ。

最もプラスの面を挙げるとすれば、運輸・倉庫の雇用が伸びたことだろう。これは単にネット通販大手アマゾン・ドットコム(AMZN.O)への注文が増えているだけでなく、需要の裾野が広がっていることを意味している。金融や不動産が伸びたことは特に驚きに値しない。賃貸・リースは例年、この時期がかきいれ時となる。とはいえ、雇用の増加は好ましい。

<アメリプライズ・フィナンシャル・サービセズ(ミシガン州)のチーフエコノミスト、ラッセル・プライス氏>

失業率の大幅な低下は心強いが、データ分類がなお課題として残っており、失業率低下の基調的な理由を見極める必要がある。労働統計局も認めているように、失業者を一時帰休扱いにするのか、それとも永久解雇扱いにするのかを巡って判断が悩ましい。

業種別では、建設関連が依然として低迷しており、一定の改善が必要だ。娯楽・宿泊は底堅く伸びてはいるものの、まだ数百万人もの雇用が失われたままだ。

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<スパルタン・キャピタル・セキュリティーズ(ニューヨーク)のチーフ市場エコノミスト、ピーター・カルディリョ氏>

労働参加率は上昇した。失業率も8.4%に低下した。これは予想外だった。今回の雇用統計で正しい方向に進んでいることが示された。ただ失業率の水準はかなり高いため、疑念が完全に払拭されたわけではない。

今回の結果で労働市場が明らかに回復していることが示されたが、回復は弱い。さらに、雇用統計の数字は1カ月前の状況を反映するもので、現時点の状況を必ずしも反映していないことを念頭に置いておく必要がある。